いきもにあマークの秘密

いきもにあ のマーク、みなさんにはどんなものに見えますか。

 

車輪? 丸を組み合わせた模様? 金太郎飴?
人工的に作られたような奇妙な形をしていますが、実はこれ、生き物に深い関わりのあるものなんです。

 


精子が泳ぐ、細胞が分裂する、心臓を左に配置する、コショウを吸ったらくしゃみをする……生きているといろんなことをしないとなりません。
忙しい生命活動を支えているのが、小さな小さな短い毛、繊毛(せんもう)です。
どれくらい小さいのかというと、鼻に飛び込んだコショウをハックションと吐き出すとき、のどの奥でコショウの粉を捕まえて、ベルトコンベアのように粘液と一緒に喉に送り込むための、その細胞の一つ一つにはえています。
 

繊毛は、のどの奥だけでなく、いろんなところに生えています。

池の水をくんできて、顕微鏡で観察すると、ゾウリムシが体中の繊毛を波立たせて泳いでいます。

 【youtube 繊毛を使って泳ぐゾウリムシ】

 【NHK for School ゾウリムシが動くようす】

2本の鞭毛(べんもう)を使って平泳ぎをするクラミドモナス(和名 コナミドリムシ)もいます。
【youtube クラミドモナスの泳ぎ】
 【クラミドモナスとはどのような生き物か】

鞭毛は繊毛よりずっと長くて、一本だけ生えています。一見別物のようにもみえますが、鞭毛も基本的に繊毛と同じ構造をしています。

精子がオタマジャクシのように鞭毛をひらめかせて、卵子を目指します。
受精し、成長をはじめたばかりの初期胚の表面では、一ヶ所だけにある繊毛がくるくると小さな流れを作り出し、その流れによって体の左右が決まります。
この繊毛の働きは、命の有無をも左右します。
繊毛がまったく生えない異常を持って生まれた受精卵は、発生のはじめのうちに死んでしまいます。

繊毛を輪切りにすると、不思議な構造が現れます。
9本の管(周辺微小管)が時計の文字盤のように等間隔に並び、その中心に一対の管(中心対微小管)があります。これが いきもにあ のマーク、9+2構造です。
実際に、細胞のように小さいものを見るための特殊な顕微鏡で観察したときにも、このマークにそっくりの形が見えるのです。

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